画家に去俗論あり。曰。
『画の俗を去るに他の法無し。
多く書を読めば則ち書巻の気上昇し市俗の気下降す。
学者其れ旃を慎まんかな』
それ画の俗を去だも、筆を投じて書を読しむ。
況詩と俳諧と、何の遠しとする事あらんや。
- 与謝蕪村 -
現在製作中のモノの仮組み写真を撮ったのですが、改造前の写真が別のカードに入ってて用意できないので
後日貼りますけど、
変わりに『余ったパテの行き着く先』として作っている習作

144サイズです。
バランスチェックをしている途中なので、怪しい部分が多いですけどご了承ください。
それと隣のキットとはサイズが違いますが・・・フル可動なのでポリキャップの都合上のサイズかな?とか(←自分のには目を瞑る)。
とにかく、いくら作ったところで「贋作」とか「偽物」って言われるのは分かっているので、
贋作だと割り切って好き勝手に彫りますけど(当然設定も無視)
こういうのが一騎いると、キットを作っているとき「パテが余っちゃったけど勿体ない!」っていうのが
ササッとカバーできます(貧乏性故)。
なんか前のもぐらに「モーターヘッドはデザインが出来上がっているから、(彫刻)技術を抜きにしたら簡単だ」みたいな記事があった記憶があるんですが、
いや・・・プロポーション探るだけでも凄く難しいんですけど・・・・・・
うーん・・・・
・・・。
んで、製作記ですが
模型誌のライターさん並みの文章みたいなのは無理なので(先生方々は『プロ』ですし)、
一生懸命書いても労力だけ費やして特別良いこともないので、
『・・・という夢を見たんだ』的な、変な方向の製作記を書いてみたいと思います。
チコちゃんみたいに「諸説ございます」的な・・・
さて、日本の美術で凄く重要視されている概念の1つは『余白』だと思うのですが(岡倉天心「茶の本」参照)、
模型にも余白(のような概念)があって、
モーターヘッドは余白が無いのでアレンジしにくいんだろうなーって作ってて思いました。
ファーストガンダムは余白が多いので、モデラー的にも改造しやすいデザインだと思うのですが
(例えば公式ガンプラでも無類のバリエーション数を誇ると思います。1.5とかVer.KaとかFG、RG、PG・・・)
スジ彫りも余白が多いので「ここに線を入れよう」ってアレンジし易いんですよね。
そんな『デザイン上の線』がだんだん多くなると、それに比例してアレンジもし難くなるわけで
ハリウッド版のトランスフォーマーなんか線の嵐みたいな画なので、アレンジしようにもそう簡単にアレンジできない・・・
ちょっと極端な例でしたが、ユニコーンガンダムとか、Sガンダムクラスでも『俺アレンジ』って余白が無いので難易度高くなるんですよね(・・・たぶん)。
そもそも余白っていうのは、古来中国(中国って言って良いもんかどうなのか。違う国の積み重ねで出来た歴史ですもんね)で
絵の描かれてない部分に漢詩や、歴代の皇帝達が「俺のだよ」って『ぺた』っとハンコを押すスペースだった記憶があるのですが
その文化が日本に渡来して、禅宗の十牛図「人牛俱忘」の思想と混ざりあったのか、
それとも牧谿の影響が大だったのか、物凄く余白に意味を持つことになったと思うのですけど
(ちなみに、こういう知識があるとジブリの「かぐや姫」の映画が「すげー!」って思えます。筆法とか)
当然ですが自分よりも永野さんは遥かに頭が良いでしょうから、この手の知識っていうのは最初からあって
決まった角度の(←設定画の)余白の無い理想的なデザインがある変わりに、
後ろ絵とか正式に書かなかったり、盾で良い所が見えなくなってたりして
余白を作って故意に『完全を嫌っている』ような気がします(んけど・・・どでしょね?そこが余白になってませんかね?)。
線的な余白じゃなくてイメージの余白・・・みたいな。
たとえば『背面を原型師諸氏のために描いたもの』とデザインズにもあったりして、
そのようにどれもいちいち描こうと思えば描けるんでしょうけれど、
「自分が漫画を描くんだから、他に設定画とか必要ない」とか言いつつ
決定稿みたいのをわざと避けてるような気がするんですよねー・・・・
やり過ぎると余白(受け手側のイメージの余地)が無くなるっていう・・・。
しっかりした設定画(もちろん製図的じゃなく絵画的な画の)あって、そこに余白の余地はあまり残っていませんが、
それでも故意的な余白がある・・・みたいな。
そこがモータヘッドの大きな魅力だと、自分は思っとりますけんど・・・。
(永野信者とか言われそうですが、厳密に宗派で言えばワークショップキャスト宗に属すと思われる)
日光東照宮もそうですけど、古くから日本人(東洋人)がもの凄く大事にしてきた考え方ですよね。
あえて完成させないっていう・・・。余白を残すんですよね。
レッドミラージュのデザインが完成して、もう出てこなくなってしまいましたが(泣)、
それでも「ここ結局どうなってんだろ?」って微々たる余白はまだあって、
そんな余白を古兵な自分は楽しんでいるんだと思います。
・・・
・・・・・・・・という夢を見たんだ。
こんな感じで
東洋思想的に模型を見ると結構違って見えてくると思うんですけど、
この「贋作レッド」はこういう感じで製作記を書いていきたいと思います。
・・・たぶん
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- 2020/03/20(金) 16:13:21|
- 【フルスクラッチ】1/144レッドミラージュ(贋作)
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