前回の続きで「中国絵画入門」のお話なんですけど

この中に『作品か作家か』というテーマがあります。
前回に「アートとは?」で言ったとおり、先に「ハコもの」ありきで考えると、例えば
ウズベキスタンの美術学校を優秀な成績で卒業した『日本では無名な』実力派アーティストと
「コ、コ、コマネチっ!ダン●ンッ!バカヤロー!」で超有名な浅草下町芸人の人生展みたいなのを開催した場合、
どちらが集客できるかって話なんですけど
芸術の学校を優秀な成績で卒業したエリートでもない大物芸人さんのほうが集客できるのは簡単に想像できて、
よくよく観察してみたりするとアートかアートでないかって分類は結構後付けでなんとかなってたりします;^^
(テレビなんかで「世界的アーティストの●野武さんです!」とかね)
つまり世間って、純粋に作品の完成度を見てるわけでもないんですよね。
この中国絵画入門で「人格主義」の段でも言われているとおり
自然と
作品ではなく、作った人間の人生を見ていたりするもんなんですよね。
人で評価するのは、中国の独特な美術観だと思いがちですけど
客観的に見ると、世界の美術品って殆どもう人格主義になってません???
もはや中国に限った話じゃないよね、っていう・・・。
作品の上手い下手じゃないんですよ、もう。
そんな感じで例に漏れず、自分も人格主義の目線でワークショップキャストさんを語りたいわけなんですが、
たぶん生嶋さんは、妥協せずじっくり丁寧に作り込まれた作品を世に出したいという理由から
独立して個人工房を立ち上げたと思うんですが(かなり昔のHJEXとか読むと、そう想像できるんですが・・・←違ってる確率高し)、
この行動自体も結果的に作品に加味されて、ぐっと価値が上がってる気がするんですよね。
職人気質が伝わって何か燃えるっていうか(笑)
FSSの作家さんと凄くリンクしてるように見えません??
他にも職人さんっぽい立場の原型師さんはいっぱいますが、
頑固一徹(←作品に対しての)感は突出してらっしゃるように感じるんですけど・・・どうでしょう。
自分は・・・
やっぱり
人を見ちゃうんですよねぇ・・・・
純粋に作品だけを見てるわけじゃない気がするんだよなー。
中国絵画の美術観のとおり、作家も含めて作品を崇拝してるっていうか。
(生嶋さんに限った話ではなく、上村松園とか狩野芳崖とか高村光雲とか諸々)
ああ
・・・話は少しズレますけど、
谷さんも、神様から与えられた稀な能力をお持ちなんだから
世間の為に素晴らしいデザインのFSSの作品をもっと出してほしかったなーって思います。しみじみ。
見てると色々なシガラミに揉まれて(しかも現在GTMになってしまうし)
ある時期からスッパリ作品のリリースが途絶えてしまいましたけど
個々人の置かれている状況と、時代のタイミングというものがあるので
どうしようもないことがあるのは十分承知していますが、(自分にも当てはまることが多々)
未来に残す文化として、物凄く惜しいことになったんじゃないかなって思います。
勿体ない・・・。
永野デザインの立体を世に残す選ばれた人って感じがしたんだけどなぁ・・・(外野から適当に言ってすいません)
・・・。
話を戻して、
とにかく
アートってオリジナリティを廃して、対象物とそっくりのモノをつくることってダメなの?とか
絵(芸術作品)ってそもそも何なの?っていう、かなり深い部分も理解できるようになるので、この本はおススメです。
本当に読んだ後と前では全然違って見えます。
西洋のほうが優れてるっていうのは、完全に間違いです(きっぱり)。
「これは入門書なので、これからもっと深く学ばれることを望む」みたいな感じで終わってた気がするんですが
もっと専門的な大きい本もありますけど、この本で全然間に合うと思います。
良書!
このテーマ、もっと書かねばあることがあるので気が向いたら
続く
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- 2021/02/07(日) 15:21:38|
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ワークショップキャストを(熱く?)語る前に書かないと絶対伝わらないな・・・ってことで
自分の「作品に対する考え方や世界の見かた」に恐ろしく影響を与えた
宇佐美先生の『中国絵画入門』を紹介。
・・・と、その前に。
模型の世界で「これはもう模型じゃないです!芸術品です!」っていうワードは結構な確率で出てくると思うんですけど
(当然ながら自分も使う)
そもそも芸術品、美術品・・・つまり「アートってなんじゃ?」って話なんですが
たしか昔に読んだ新聞の記事ではイマイチはっきりしてなかったような記憶があるんですけど
(ヲタク文化が世界を席巻し始めた頃だったか?)
いまだに色々な意見がありますが、1つの簡単な見分け方として
『美術館(ハコもの)に飾って、ある程度の集客があるか』っていう、凄く単純な考え方があります。
(単純ですが、一番説得力がある気も・・・)
考え方的にマルクス主義っぽいですかね?(笑)
経済活動が先立つので「(神聖な職業の)アーティスト」の方々は俗っぽくて嫌がる考え方かもしれません。
とはいえ、
NHKラジオでやった「ナポレオンとフランス革命」でも博物館(美術館)の誕生って、溢れ出るパッションから生まれたんじゃなくて
思ってたよりも結構単純だったと思うんですが
そんな感じで、経済活動を先に考えると
アートっていうのは、ただ「どれだけ人を呼べるか」って以外の何ものでもないように見えたりもして;^^
そんな感じで見てみると「もはや芸術だ!」とか言っときながら
個人で作ったガンプラはアートになるかなぁ・・・って思います。(見るのなら模型屋さんに行きますしね・・・)
アート率が高そうなガレージキットでも、美術館っていうと・・・・・・無理な気がします。
(海洋堂さんでやった展覧会も見に行きましたが、上村松園展と比べると差が・・・←そもそも比べんなっていう)
でも、
「アニメの歴史 ガンダム展」とか
「アニメロボットデザイナー展」とかやったら全然いけますよね。
こんな感じで
アートかアートじゃないかっていう境界は、見えないけど誰でもわかるようなはっきりとした何かがあるんです。
有名な芸術家さんだったかも言ってましたが、実は時間も関係してまして
今は海洋堂展も『田舎ですら超行列』とまではいかないかもしれませんが
上村松園展のように20年後30年後には超行列になる確率は高いわけで、
・・・凄く頭を使う世界なんですよね;^^
そういう難しい美術とか芸術の見かたを
超強烈に手助けしてくれる本が今回の「中国絵画入門」だったりするんですけど
「え?いまどき東洋の美術観?」
「そもそもアジア芸術って遅れてねーか?」
とか思われる方も、そりゃ多かろうと思いますが
この東洋美術の歴史と考え方を学ぶと、確実に違った人生観になります。(もはや芸術観超え)
ワークショップキャストについての記事なので、「ファイブスター物語」の話をしますと
昔の「重戦機エルガイム1」っていう(そのスジでは)有名な本に
永野氏が「水墨画の影響を受けてる」っていうのがありますけど、
今回の中国絵画入門を読むと、水墨画の世界ってどういうのかが分かりますし
一見、迷走してるようにも取れる、いわゆる『永野語録』も
「もしかしてその考え方って今の今まで全然ブレてないんじゃないか??」って思えたりもします。(設定画の後姿は書きませんとか、
見えないところは原型師さんにお任せ~とか、
自分だったらこうするよ的な)
「設定画を正しく写し取ってください」って人ではないですよね、たぶん・・・。
(そういう教科書みたいのは生嶋さんにお任せしてるとか言ってたんでしたっけ?←朦朧・・・)
長くなりそうなので、次回に続くことにしますが
この本でも言われてるように、芸術って作品なのに作品を見てない部分もありますので
その点も是非詳しく加工
つづく
- 2021/02/07(日) 11:30:54|
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コロナ騒動で製作がストップしてますが・・・・
やっぱり
ブログがつまらんです。
自分で書いててなんですけど・・・自分で読んでてつまらんのに、その中で作ったものが面白いわけなんてないんですよっ!!ズバリ!!
だから何を作ってもなんか違うなー・・・とか、自分のストライクゾーンに入らなくて悶々としてるんだと思うんです。
(定まらないくらいコロナで動揺してたって証でもあるんですが・・・迷走記事はあとで消そう)
ってことで、自分にお題を課する感じで企画を立ててみることにしました。


だいぶ前に母親から頂いた『良い感じの飾り台』です。
かなりカッコいいんですけど、乗せれるモノが何もない・・・(貧乏故)
何を乗せても台に負けちゃうんですよねorz
(そもそも東北の田舎じゃ売ってない)
しかもサイズが小さいので、模型なんか乗せれないし、
つかそもそも雰囲気がまったく合わない。
ワンフェスでコレに合うようなのを勢いで作ってみたんですが、サイズミスで合わずに乗せれることも出来ずorz
いまだに何だったんだって感じですけど
これに合うようなのを造形したいなってずっと思ってまして(人生は短いのだ)
あらゆる本を読むようになったのですが、仏教はもちろん、儒教や老子も読みましたし
(自分が白圭と名乗っているのは、孟子の出来の悪い弟子から頂いたもの)
気付いたら不可抗力で東洋思想に詳しくなってたっていうですね・・・なんか方便品的なことに・・・(←これも読んだ)
とにかく、
・漫画、アニメ系は合わない
・メカ系も(上手くデザイン&アレンジしないと)合わない
・東洋思想だと結果仏像とかおっさんばっかりになってしまう(もしくは牛とか)
・でも宗教臭さは出したくない(ギリ観音かな?)
・なるべく綺麗に塗装したものを飾りたい
(ホビージャパン「サンライズロボット列伝」にて、永野氏がなんでツヤ有り設定にしたのか簡単に書いてありましたが
そんな感じで、汚したものばっかり飾るっていうのも抵抗が・・・)
以上を踏まえて
・白衣観音か七福神の中のだれか等々
・動植物
・オーガニック風な抽象画、概念的なもの
なんかに絞られてきました。
こういう思考が芸術に通ずるんでしょうけど
難しいですね・・・。
アートをナメちゃいかんです・・・orz
つづく
- 2020/06/10(水) 10:36:29|
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岩波文庫の青帯を読んでて、ちょっと実験したいなと思ったので、
模型の写真は次回に。
さっそくですが
NHKスペシャルの「ケネディ暗殺の真相」みたいな番組見ました。
歴代のケネディ特集の中では、一番リアリティあったかな?
・・・と自分は思いましたが、どうなんでしょうね。
似たような結論の特番もあったような記憶もありますが、あそこまで犯人側を徹底的に取り上げたのは初めてでは??
と思いました。
その中で「共産主義者だ!」とか「ソ連の犬か!」みたいな感じで出てきましたけど
(当時はしょうがないと思いますが)
今だからこそ マルクスの『共産党宣言』 を読むのも良いんじゃないかなーって思いました。
あのドラマのようにかなり影響力のある本だし
否定派の人でも肯定派の人でも、一読すべき名著(実際世界を変えましたもんね)だと思います。
そこから「ないない」って思ってもいいし、「これは現代でも通用するぞ」って思っても自由ですしね。
読まないよりも、読んだほうが良いのは確実かと。
ただ、押えておきたい大事なことは
現実としてマルクス主義的な国は、あんまし幸せそうには見えない点と
相当な聖人君子でない限り、どこかで利己的な欲が勝るような人間では実現不可能に思う点、
(性善説か性悪説って感じですけど、客観的に見て現実世界は性悪説な気が・・・)
さらに国民が皆、善人でない限りは難しいんじゃないかな??とセミ級の脳を持つ自分ですら懐疑的に見てしまったり
(そこで強制的な改革が必要なんでしょうけど、イメージ悪いですよねぇ・・・)
悲しいですけど、マルクスさん人類に希望を持ち過ぎかなー・・・って思ったりもします。
だって絶対悪いヤツが出てきて、このシステムを悪用しそうですもん・・・。
少人数レベルでも崩壊しそうな気がするんだよな・・・
と、自分はガッツリ読みましたが・・・
前にも書きましたけど、もう時代が次のステップに行っちゃってる感じがするし、
もし現代にマルクスがいたとしたら、別の解決方法を意見してるんじゃないですかね・・・。
世界がもはや生産過剰な気がします。
そんで資本家から生産資本を奪い取ってもね・・・っていう。
マルクスの世界観は、自分的には間違ってないと思うし
モデラーっていう、なんか関係なさそうな世界の人でも是非読んでもらいたいと推薦したい本であります。
(でも過激な部分は墨を塗ってね☆っていう)
なんで推薦したいかっていうと『読後は模型の世界もかなり違って見えるから』なんですけど、
マルクスの世界観が頭に入ってると、モデルグラフィックスの(あ)の人のZZガンダム回顧録とか
「ああ・・・そうか、その当時は子供だった自分は搾取される側だったんだなー」とか
富野監督さんが吠えてるのも「せめて大人が子供達から搾取するのは止めろ!」とも取れるし(←注:勝手な想像ですけど)
永野さんが売れるデザインにしろって言われてスポンサーサイドとモメた話も、反商業主義的に見えます。
(個人的にGTMも反商業主義に見えるんだよなー)
自分的にはモデラーってみんな頭が良い人達の集まりだと思ってます。
だって口先だけじゃなくて、実践と結果が伴うでしょ??
カラーリングだって、普通に青と赤を混ぜると紫にならない塗料とかコントロールするんですもんね(笑)
「僕たちは、すごくIQ高いです!」ってテレビによく出る人たちより、実は相当訓練されてるんじゃないかと思うんだけど・・・
いつか、この中からマルクスを超える次の世界を作る英雄が出現するはず!
希望はデカく!
おおぐち叩いてみました。
以上
- 2020/05/04(月) 16:58:20|
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あれですね
今回のコロナもですけど、非常事態って人間性があらわになりますね。
自分もそんな巷と同じくですけど
(ブログの)ネタが全然出ない・・・orz
なんも思いつかねー(←オリンピックの競泳選手風)
ぼーっとしちゃってネットしようって気にならないんですよね・・・
そもそもネット離れが酷い状態だったんですけども、更にっていう。
でも気分転換するど!って思って、だるい体を引きずりながらブログに繋いでみました。
ピコピコ・・・・
さあ、せっかくの『すていほーむ週間』なので、おススメ(?)の読書感想文でも書こう

だいぶ前ですけど、柳宗悦著『手仕事の日本』読破しました。
んー・・・モデラーだったら読んで損はないかな?とも思ったりもして。
所々でチクチク心に刺さります。(←純粋な心を持ったモデラーなら刺さらないはず)
柳宗悦って、超絶技巧とかの工芸品に対してあまり良い意見を残してなかった記憶があるんですが
(かなり薄い記憶ですけど)
これを読むとその理由がわかると言いますか、
なにかですね・・・モノを作る人にはグッとくるものがあると思いますよ。
内容ですが、
全国の主要な工芸品を旅した気分で紹介していくのがメインになるんですけど、
なかなかの長旅でして(笑)、
結構気合いを入れないと完読するのが大変だと思います。
自分の地元は褒められてて嬉しかったなぁ~♪
・・・といった感じ。
ちなみに、高村光雲もでしたけど、京都に対しては結構辛辣だったりします。
今では「伝統工芸の代表っていうと京都」って感じですけど
こういう人達って、あんまり評価しないんだよな・・・
イヤミみたいな感じで闇雲に言ってるわけではなくて、この「手仕事の日本」を読めばなぜ辛辣かわかります。
・・・・・・ここらへんはボークスさんにぜひ読んでいただきたい(←バッシュをまだ引きずってる)
名著も名著、すごく良い本でしたけど
ホント自分みたいな青二才が今まで『工芸』という言葉をこんなに簡単に使ってて
なんか後ろめたい気持ちになりました。
「ガレージキットを工芸品のように仕上げます」とか書いちゃってますけど
なんか職人さんに失礼だなコレ・・・
『美術品のように~』に変えましょうか。
たぶんモデラーでもアーティストとか芸術家とかって言葉にアレルギーを持ってる人って少なくないと思うんですけど
自分は、そちらの世界にあんまり良いイメージなくて
なので「芸術とか美術のジャンルに自分の大好きなガレージキットを分類したくないっ!」って思って
あえて工芸って言ったんですが
あのー・・・去年だか
名古屋のアート展の件もありましたよね・・・
作品が良いか悪いかは、とりあえず置いておいて
『アートだからなにを表現しても良いんだ!』みたいな、あなたの意見をこちらの受け手側に強制する感じが凄く嫌で
(強制に慣れさせる『学校』とかもダメな人間だった)
地元の芸術大学の作品展みたいなのも見に行きましたけど
冷ややかな目で見てしまうんだよなー・・・
あなたの美的センスの押しつけやめてーっ!!って(泣)
マルセル・デュシャンの「泉」ってそういう意味も含んでませんかね?
冷ややかじゃないですか??
・・・とにかく。
モデラーの世界って結構逆だったりしますよね。
自分が気持ち良いからそれで良い・・・っていうのもあるかもしれませんが、
でも大多数の人は、自分以外の誰かが喜ぶ『利他的』な表現の割合がデカいんじゃないかな・・・
ネットに出してる人では間違いなく少なくないと思うんですけど。
自分的には「自分を殺す」(←個性の意味ですよ)っていう所に美を感じるし
生嶋さんとかも公言してらっしゃいますけど、
あえて指標になるような純粋な標準の表現っていうものに、自分は心惹かれたりするのです。
とはいえ
この前も永野語録読んでましたが、
そういうのはもう生嶋さんとかボークスさんとか完膚無きまでやってるんで、
それ以外の人は、もっと自由にFSSの模型を楽しんで表現して!っていうふうにも取れますね。
だから「自分だったら・・・」っていうのでGTMにしましたよっても解釈できるな・・・
もぐらのインタビューなんかの「売れるもの、同じものばっかり作ってたら先細りになるぞ」って
コレまんま東洋思想ですよね
うーむ・・・・
やはりこういう時代だからこそ永野語録的な
改革が必要なのかもしれませんね
GTMって、かなりの改革だったもんな・・・。
眼がチカチカしてきたから今回はコレで終わり(オチ無し)
関係ないけど最近左目が変で恐い・・・
- 2020/04/29(水) 16:49:20|
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